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執筆者の写真森をツナグ

母のこと①



お正月に帰省した時のことです

母「お父さんが亡くなって3ヶ月たつけど、全然寂しくないのよ。遺影写真が笑顔だから、話しかけるたびに笑ってくれるし、全部やりきったからさぁ」

母「身体も楽なんよ。何にもないと思うけど、ちょっと診てくれる?」

母の身体を診るのは久しぶりのこと。上半身の肋骨に触った時に違和感を感じました。なんとも言えない、ぼわっとした感じ。

私「なんか変な感じがする」

母「痩せとるからやろ。肋骨がでとるんちゃう?」

私「いや、そういうんじゃない感じ」

3年ほど前に乳がんになった母は、一度は手術でとったものの、転移が見つかりました。病院嫌いな母は、抗がん剤治療や再手術はせず、自力で自然療法で治癒させたものの、癌は完全に治らず共存している状態です。癌が肺の方まで広がっているのかと、不安が頭をよぎります。

もともと上半身にグッと力を入れて頑張るタイプの母は、肩周りが固かったのですが、ゆるゆるに緩んでいます。あぁ、緩んでいるなぁと背骨を下にたどっていくと…

私「なんこれ!!めっちゃ出てるんやけど!!」

腰からお尻の割れ目に沿ってある仙骨がめちゃくちゃ固い。もともと母の仙骨は固いのですが、それにしても固くてボコッとでてます。

私「寝る時とか、痛くない?」

母「痛いから、布団をうまくあてて、痛くないようにしてる」

仙骨は特に女性が感情を溜めやすいところ。大丈夫といいながら、色々な感情をためているのでしょう。

私「気持ちで溜め込んでること、あるんじゃない?めちゃくちゃ固いよ」

母「そうねぇ…弟たちが商売を継いで一生懸命やってくれてるけど、色々と思うことがあって…一生懸命やってくれてるから、あんまり言うのもなんだなぁと思って、ぐっと飲み込んでるわ… 」

母「あとは、そうねぇ…他の人にも言いたいことがあるけど、言っちゃったら悪いかなと思ってなかなか言えなくて…」

そこからはじまり、感情が出ること、出ること。仙骨に当てた右手がビリビリします。お客さまなら、客観的に冷静に施術ができますが、母親だと私情が入ってしまい、ついつい口調が強くなってしまいます

私「大丈夫じゃないやん。めっちゃ溜めてるやん。頭では大丈夫と思ってても、身体がこんなに溜めてるやん」

母「ほんとやね」

感情を出しながら、呼吸を深いところまで吐いて、気持ちのよい新鮮な空気を送り込むように呼吸を入れていきます。仙骨が徐々に緩んできました。次に仰向けで恥骨を見ると…

→次に続く

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